ご挨拶(自己紹介)

 皆さん初めまして、わたくしは明道知巳(ミョウドウトモキ)と申します。現在奈良市のとある病院リハビリテーション科に勤務する理学療法士です。奈良県理学療法士会スポーツサポート部に在籍し、奈良県高校野球のサポートや先日開催された奈良マラソンのサポートなどさせていただいております。

 今回、代表や副代表、監督、コーチにお声かけいただき、可能な範囲で選手たちのサポートをさせていただくことになりました。主にはストレッチやトレーニングについてホームページを通じて紹介できればと考えております。少しでもお役に立てるよう努力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

12月23日(土)アップメニュー見学

 昨年12月23日(土)に久しぶりに榛原健民グランドに伺い、選手たちがアップトレーニングしているところを見学させていただきました。

 私の息子が現役の時代と比べると、アップにかける時間も内容もリニューアルされ、よく考えて実施するよう工夫されていると感じました。内容はよく吟味されているので、後はどれだけそれぞれのメニューの意味を知って、効果的に実践するかが大事です。

 私が今回見学させてもらって感じたのは選手たちの体の固さです(個々に差はあるようですが…)。今後野球を続けていくのであれば股関節周囲や肩関節周囲(肩甲骨も含む)の柔軟性を獲得しておくことは必須です。

 

★アップメニューの説明

では、現在実施ているアップメニューで私が気になったもののをピックアップし、ポイントを説明します。また追加メニューを紹介します。各自で実施してもらうかメニューに追加してもらうかご検討下さい。

 

①肩関節水平外転・肩甲骨内転・体幹回旋

肩・肩甲骨の柔軟性を向上させるストレッチ。選手の背中を見ると曲がっているのがわかるでしょうか?

できる限りいい姿勢で行うようにしましょう。あと右肩甲骨が左肩甲骨に近づく感覚を感じながら実施してください。

 

 

②肩関節水平外転・肩甲骨内転

四つ這い姿勢での肩・肩甲骨のストレッチ。これも体幹の姿勢も左に傾いているのがわかるかと思います。

ピッチング(遠投や球速アップ)に必要な肩甲骨のストレッチです。最近選手たちを見ていると、肩甲骨の固さが目立つ選手が多く、けがの原因にもなりかねませんのでしっかり柔軟性の向上を図ってください。

また肘を曲げて行うのも追加してもいいかと思います。

 

 

③開脚位での体前屈

体幹を倒している側の太もも裏側の筋肉(ハムストリングス)のストレッチ。

足先を触ろうと努力しているのですが、残念ながら腰(骨盤)が曲がっています。また足先が外側に倒れています。

足先に届かなくてもいいので、腰(骨盤)を起こし、足先を上に向けた姿勢で体幹を前屈していきましょう。

 

以下にハムストリングスと股関節周囲と肩関節周囲のストレッチの方法を追加メニューとして紹介しますので参考にしてください。

 

★追加メニューの紹介

<ハムストリングスのストレッチ①>

片脚ずつ行うことで少し余裕をもってできると思います。骨盤を起こすことを忘れず太もも裏側が伸ばされていることを感じながら行ってください。

 

 

 

 

 

<ハムストリングスのストレッチ②>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しゃがんだ姿勢で両足首をつかみます。そこから膝を伸ばしていきます。この際可能な限り膝を伸ばすことを心掛けるようにしてください。10回程度実施すれば若干ですが、太もも裏側が伸びた状態になるので、上記の①のストレッチを実施してください。これらのストレッチを繰り返し行うことで必ず柔軟性は向上します。

<大殿筋のストレッチ>

 

 

 

 

 

アップメニューの中に殿筋群(お尻部分)のストレッチが無かったので紹介しておきます。

 

写真の姿勢で上半身を前に倒していくことで、右のお尻が伸ばされます。痛みがある人は手をつくようにして、余裕が出れば、肘をつくようにしてください。足の位置や手をつく位置を変えることで伸ばされる部分が変わりますので、アレンジしてください。

 

<肩関節内旋と肩甲骨外転のストレッチ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両手の甲を腰に当て、肘を前に出してきます。肩から腕の裏側の筋肉が伸ばされるのを感じてください。同時に肩甲骨が外側に開く(左右の肩甲骨が離れる)ようにします。

<肩甲骨内転のストレッチ>

肩甲骨の内側を引き寄せるようにします。そのまま両手を上にあげたり、下げたりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、ストレッチの注意点をお伝えしておきます。

ストレッチは呼吸を止めず、伸張されている部分をしっかり感じながら、15~20秒保持するように行ってください。決して勢いをつけずにゆっくり伸ばすようにしてください。継続して行うことで確実に柔軟性は向上しますのでしっかり頑張ってください。